「ヨーロッパ最後の異教徒」とも呼ばれるロシアのマリ人について紹介します!
※アフリカのマリ共和国のマリ人とは一切関係はございません。
マリ人(Марийцы)
マリ人はロシア西部、マリ・エル共和国の基幹民族。
ロシアでの総人口は547,605人、そのうちマリ・エル共和国に約半分の290,863人が暮らしています。(2010年の統計より)
ロシア国内では、他にバシコルトスタン共和国に約10万人、キーロフ州に約3万人のマリ人がいて、マリ・エル共和国周辺の他の地域にも多く暮らしています。(2010年の統計より)
宗教はマリ人の伝統宗教か、ロシア正教。
人種的にはコーカソイド(白人)ですが、モンゴロイド(黄色人種)の遺伝子もそこそこ混ざっているそうです。
マリ人の歴史
前回ご紹介したカルムイク人とは異なり、もともとマリ・エル共和国のあたりに住んでいた民族のようです。
古代のマリ人が歴史上の文献に初めて登場するのは、6世紀にビザンツ帝国の歴史家ヨルダンの書いた本。
当時現在のマリ人の祖先たちは、近隣のハザール人の国やヴォルガ・ブルガール人の国と連携を保っていたようです。
13世紀、マリ人が暮らしていた地域はモンゴル帝国の支配下に入ります。そしてモンゴル帝国や後継国の滅亡後は、15世紀からカザン・ハン国の支配下に入ります。
その後、東方進出を目指すロシアはカザン・ハン国と戦争を始めます。その際にマリ人たちはカザン・ハン国側に味方して戦っています。
ただ、1552年カザン・ハン国滅亡直前に、マリ人はロシアの支配下に入ります。
1585年までに3回ロシアを相手に反乱を起こしますが、すべて力でねじ伏せられ、その後もロシアの支配下にとどまり、ソ連時代を経て現在に至ります。
マリ人小話
マリ人の多くは現在も伝統宗教の信仰を守っており、ロシアやヨーロッパのジャーナリストからは「ヨーロッパ最後の異教徒」と呼ばれることもあるそうです。
その伝統宗教は自然崇拝で、人間は神聖な自然から様々な力を受け取っていて、さらにその自然は人間が立ち入ることのできない領域に存在しているとされています。
また、日本と同様、多くの神々を信仰する「多神教」であることも特徴です。
※多くのロシア人が信じるロシア正教は、キリスト教の一派なのでもちろん「一神教」です。
以上、マリ人についての解説でした!
ちなみに、マリ人が多く住むマリ・エル共和国の首都ヨシュカル・オラは、川に面してきれいなヨーロッパ風の建物が並び建つ町並みがとてもきれいな所だそうです!
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