フィンランドとも深いかかわりを持つ「カレリア人」を紹介します。ロシア・フィンランド・スウェーデンの3国の歴史に翻弄された民族です。
カレリア人(Карелы)
カレリア人はロシア北西部カレリア共和国の基幹民族。
ロシアでの総人口は60,815人、そのうち約75%の45,570人がカレリア共和国に暮らしています。(2010年の統計より)
隣国フィンランドにも約25,000人が暮らしています。(2015年の情報)
カレリア人はフィン・ウゴル系の民族。そのため見た目やほとんどの特徴はコーカソイド(白人)ですが、まれにモンゴロイド(黄色人種)の特徴を持った遺伝子が検出されることがあるそうです。
カレリア人の歴史
カレリア人が歴史上の文献に初めて名を残したのは874年のスカンジナビア年代記。そのころにはもう現在のカレリア共和国あたりに住んでいたようです。
13世紀にはカレリア人の領域は最大となり、現在のカレリア共和国の範囲の他、フィンランド東部もカレリア人の国の支配下だったそうです。
その後カレリアの地は、ノヴゴロドやモスクワ(後のロシア)とスウェーデンの領土争いの地となります。
戦争の結果何度もロシアとスウェーデンの国境線が変わり、そのたびにカレリア人は宗教を改宗させられるなど、翻弄されることになります。
結局、大北方戦争が終結した1721年、カレリア人の住む地を含めた一帯はロシア領となりました。
しかしその後はロシア領内でフィンランド人の独立運動が発生。
結局、ロシア革命の混乱に乗じて1917年にフィンランドは独立。この際に一部のカレリア人はフィンランド領内に住むことになりました。
その後第二次世界大戦のソ連・フィンランド間の戦争を経て、結局、現在のようにロシアとフィンランドに別れて暮らすことになりました。
カレリア人小話
ロシアのカレリア人とフィンランドのカレリア人の違いは宗教で、
ロシアに住むカレリア人はロシア正教、
フィンランドに住むカレリア人はプロテスタントが中心です。
そのため、カレリア共和国内には歴史のあるロシア正教会がいくつかあるそうです。
カレリア人は、伝統的には木造平屋建ての家を川や湖沿いに建てて暮らしていました。丈夫で温暖な家を作り、ペットも同じ建物の中で仕切りをつくって一緒に生活していたそうです。
また、各家庭に必ずバーニャと呼ばれる風呂が必ずあったそうです。
ここは風呂好きなロシア人、フィンランド人とも共通していますね。
以上、カレリア人の紹介でした!
次の民族もお楽しみに!
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