むかいひろきのロシア・ブリヤート共和国情報局

ロシアやブリヤートに関する情報、駆け出しの日本語教師として感じたことを発信します。ブリヤート共和国で日本語教師として2018年8月~2020年7月まで働いていた日本人大学院生のブログです。

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【ロシアの民族④】エヴェンキ人

こんばんは!

本日紹介する民族は、名前を聞いたことがある人も多いかもしれません。
「エヴェンキ人」です!

 

エヴェンキ人(Эвенки)

エヴェンキ人は日本語では「エベンキ」「エヴェンキ」「エベンキ族」「エヴェンキ族」と表記されることが多い、東シベリア~極東ロシア、中国北部に暮らす少数民族です。

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エヴェンキ人の若者

ロシアでは37,131人が暮らし、そのうちもっとも多いのはサハ共和国(ヤクート共和国)に20,782人。他にも東シベリア~極東の各地に暮らし、私が赴任していたブリヤート共和国にも2,925人が暮らしています。

また、中国にも39,534人が暮らしています。(いずれも2010年の統計より。)

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エヴェンキ人の分布図。緑が濃いところほど地域人口に占めるエヴェンキ人の割合が高い。

なお、「エヴェンキ」という名称が一般化したのは1930年代からで、それまでロシア人からは「トゥングース」などと呼ばれていました。

 

エヴェンキ人の初期の歴史については諸説あり、まだよくわかっていないそうですが、元々はバイカル湖周辺に住んでいた民族で、他の東シベリアの民族と混血を繰り返して誕生したのではないかと言われています。

 

サハ人やブリヤート人といったほかの民族と共存したり、時には住んでいるところを追い出されたりもしながら、徐々に東シベリア~極東各地に広がっていきました。 

 

17世紀、エヴェンキ人は、東西ではカムチャッカ~ロシア中部を流れるエニセイ川まで、南北は北極海沿岸~中国国境までの幅広い地域に分布していました。当時のエヴェンキ人の人口は3万人程度だったので、1人当たり25平方キロメートルの土地を持っている計算になります。(計算が苦手なので割愛しますが、人口密度がとてもとても低いということです。)

そのため、エヴェンキ人は「どこにでもいるが、どこにもいない。」と言われていました。

 

16世紀~17世紀ごろにかけてロシア人との接触が始まり、徐々にシベリアに暮らしていたエヴェンキ人は、他の民族とともにロシアの支配下に取り込まれて行きました。ただ、エヴェンキ人は常に移動して暮らしていたため、近代までは伝統的な暮らしをほぼ続けていたようです。

※アムール川沿いの中国側に暮らしていたエヴェンキ人は、清朝の支配下に入りました。清の軍隊にエヴェンキ人の兵士も組み込まれ、清・ネパール戦争などの対外戦争で活躍した軍人も現れました。

 

しかし1927年以降、ソ連はエヴェンキ人に対して近代教育や定住化などを徐々に導入。結果としてエヴェンキ人の伝統的な暮らしは徐々に失われることになりました。

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ザバイカル民俗博物館に展示されているエヴェンキ人の伝統的な家(夏)

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ザバイカル民俗博物館に展示されているエヴェンキ人の伝統的な家(冬)

動物の毛皮で寒さを防ぐようにしています。


古来、エヴェンキ人は狩猟を生業としていましたが、狩猟とともに「トナカイの牧畜を中心に行うグループ」「その他の家畜の牧畜を中心に行うグループ」「漁業を中心に行うグループ」の3つ経済的・文化的なグループがあり、グループごとに暮らしていたとされています。

 

また、その狩猟にもシャーマニズムを反映した独特のルールがあり、

  • 妊娠中の獲物をとってはいけない。
  • 生活に必要以上の獲物をとってはいけない。
  • 狩猟終了後は、動物が無駄死にしないように仕掛けを回収する。
  • 獲物をとってきても、待っている人は顔に喜びを表したり大騒ぎをしたりしてはいけない。
  • 巻き狩りの際は、射撃の名手が一番最初に獲物に向かって撃つ。

などなど。

エヴェンキ人たちは、この世のあらゆるものに神霊が宿っていると考えていたため、自然環境を大事にしないと、神々や精霊に罰せられることになる…と考えていたようです。

 

 

自身はエヴェンキ人の知り合いはできませんでしたが、イベントでエヴェンキ人に会ったことがあります。エヴェンキ語で詩を詠んでいたのですが、ロシア語ともブリヤート語とも全く違うタイプに感じる言語で、とても不思議に思いました。

 

・・・ということで、今回はここまで!

以上、エヴェンキ人の紹介でした!次回もお楽しみに!

 

 

 これまで紹介した民族の記事はこちらから!

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