むかいひろきのロシア・ブリヤート共和国情報局

ロシアやブリヤート共和国に関する情報を中心に発信しています。ブリヤート共和国で日本語教師として2018年8月~2020年7月まで勤務。2022年夏より同地に渡り再就職した日本語教師のサイトです。

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ブリヤート共和国首長「我々は遠隔授業を年末まで継続できない」

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By Kremlin.ru, CC BY 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=55993699

ロシアのブリヤート共和国でも猛威を振るうコロナウイルス。感染拡大が続いています。2020年11月18日朝現在の累計感染者数は15,920人です。ちなみにブリヤート共和国の総人口は2020年のデータで985,937人。

11月16日~30日まではショッピングセンターや飲食店が閉鎖されるなどの制限措置が導入されました。

そんな中、首長アレクセイ・ツィデーノフがロシア全国チャンネルのインタビューに答えました。

以下、翻訳です。

 

ブリヤート共和国首長「我々は遠隔授業を年末まで継続できない」

首長は、共和国が遠隔授業の停止に向けて準備していることを明らかにした。

2020年11月18日14時7分

 

ブリヤート共和国首長アレクセイ・ツィデーノフ氏は、テレビチャンネル「ロシア24」の生放送で、共和国に制限措置を導入した理由を語った。アレクセイ・ツィデーノフ氏は地方政府が期待する変化とは何か語った。

 

「この状況に至っては制限措置が必要になりました。第一の理由は、毎日「コロナ」の新規感染者が増えていき、回復期の患者数を上回りました。そして毎週のように「コロナ」用の病床を追加してきました。そして病床使用率は90%を超えました。「無症状患者」への支援は減らさざるを得ないことになったが、それでもパンデミックに関わらず、人びとは依然として支援を必要としています。さらに検査結果が出るまでの期間に大幅な遅延があり、多くの人々が長く検査のために待たされました。これも情勢に影響しています。だから措置が必要になったのです。」 ブリヤート共和国首長は強調した。

 

制限措置の導入のもう一つの重要な理由として、アレクセイ・ツィデーノフ氏は、教育機関が対面授業を導入するための準備を挙げた。

 

「我が共和国では子どもたちが数か月以上遠隔教育を受けています。我々が年末まで遠隔授業を維持できないのは明らかで、彼らを学校に連れて行かなければなりません。対面教育を導入したら、また感染率が上がるのは確かです。だからこそ医療機関の病床のストックを確保する必要があり、医療従事者の力も必要でした。」とブリヤート共和国首長は話している。

 

首長はまた、制限措置の導入を2週間を超えて行う予定はないと強調した。

 

「とにかくこの期間に人々の接触が減少することを期待しています。これらの施設が閉鎖されることにより、ショッピングセンターや公共の場での直接接触が減少するだけではありません。人々の移動が減り、家にいることが多くなり、公共交通機関での接触もなくなります。繰り返しますが、この措置は2週間です。我々は措置がさらに長期化することによって経済に新たな負担を与えてしまうことを理解しています。」アレクセイ・ツィデーノフ氏は付け加えた。

 

また首長は、今日ブリヤート共和国にCovid-19検査のための新たな追加キットがやってくるとともに、医療機関ではロシア大統領によって委託された外来患者用の無料提供のための必要な量の薬を提供し続けている、と語った。

 

「薬の供給がさらに増えることで、人びとはより質が良く、より早く治療を受けることができます。したがって負担が軽減されます。これだけすれば、2週間後には別のステージに突入できるのではないでしょうか。学校の生徒たちを含めて。今とられている措置によって、我々がコロナウイルスとの戦いの状況を変えることを確信できるようになるでしょう。」ブリヤート共和国首長は強調した。

 

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翻訳引用元

arigus.tv

 

記事を読んでの感想など

コロナ禍が続くブリヤート共和国、経済の面での教育の面でも、そしてもちろん医療の面でも苦悩している様子がうかがえます。

何度もニュース翻訳でお伝えしてきた通り、ブリヤート共和国のインターネット環境は先進国の日本とは比べ物になりません。少しでも市街地から離れるとインターネットの電波は極端に弱くなり、zoomでオンライン授業など、夢のまた夢です。対面授業に戻すしか教育を充実させる道はないのです。色々日本だと批判を言う教育関係者がでてきそうですが、ロシアのブリヤート共和国ではこれが現実です。現実は現実として受け止めて策を練るしかないでしょう。

 

ただ、医療も経済も苦しいのは事実。病院のベッドは埋まり続け、営業を諦めたお店も増えています。どれも大切にしなければいけない中、ブリヤート共和国首長のアレクセイ・ツィデーノフ氏は難しい判断を何度も行っています。頭が下がる思いですね。