むかいひろきのロシア・ブリヤート共和国情報局

ロシアやブリヤート共和国に関する情報を中心に発信しています。ブリヤート共和国で日本語教師として2018年8月~2020年7月まで勤務。2022年夏より同地に渡り再就職した日本語教師のサイトです。

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【ロシア・差別】「民族差別」についてウラン・ウデで感じたことを書いてみる

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今日は「民族差別」について、ロシア・シベリアの都市、ウラン・ウデで感じたことをつづっていきます。

 

 

なぜ差別は起きるのか

差別やヘイトクライムのニュースを聞かない日って、残念ながらほとんどないですよね。そしてインターネットの掲示板やニュースのコメント欄には特定の民族や人種に対する差別的、侮蔑的な発言があふれています。

 

では、なぜその差別が起きるのか?それは

相手のことをよく知らない。直接かかわりがないからわからない。

この1つに尽きると思います。

 

実は私は身内に在日朝鮮系の人がいるのですが、ネットで言われているようなことは全て嘘だとよくわかります。

 

ただ、実際に身近にいなかったり関りがなかったら分からないですよね。そして分からないからネットで調べてみたら、さも真実かのように並ぶウソの差別的な情報。それを信じてしまい、さらにウソの情報が拡散されてしまう悪循環…。

今はこんな状況だと思います。

 

そして人間は、何か納得いかないこと、理不尽なことがある時、何かのせいにして納得させようとします。その時その「何か」になるのが、自分がよく知らない、かかわりのない少数派の人々であったりするのです。

 

こうして差別は生まれ、広がっていくんだと思います。

  

ロシアに民族差別はあるか?

これは残念ながら「あります。」と答えざるを得ません。

 

日本人の知り合いに、東洋系の顔立ちであることを理由にからかいの発言を浴びせられたり、因縁をつけられたという人は何人もいます。

日本でロシア人(スラヴ系ロシア人)の知り合いと話している時でも、他のロシアの民族に話が及んだ時、「ああ、見下してるな…」と感じることは何度かありました。

 

学生の中にも「モスクワで、同じロシア人なのにロシア人としてみてもらえなかった。」という経験を、ある先生の講演後の質問で語っている学生もいました。

 

自身もモスクワに行ったとき、サーカスのチケットを当日券を買い求めた際、自分は売り切れと言われたのですが、その後のロシア人が何もなかったように当日券を購入していて「・・・・」となったことや、ヨーロッパ系とアジア系で態度を変えてくる店員に遭遇したことが何度もあります。

上記のような状況で、「日本から来たんだけど…」というと状況が変わることがありましたが、それはつまり「日本人以外のアジア人が差別されている」ことに変わりはないです。

  

ウラン・ウデでの民族差別は・・・

そして、今いるウラン・ウデではどうかというと、現状「差別を受けたな」と感じる状況にあったことはないですし、差別を見聞きしたことも今のところはほぼありません。

 

その理由を考えてみました。おそらくこれしかありません。

  • 身近にブリヤート人(ロシア人)がいる環境が幼いころから当たり前にあり、他民族が身の回りにいることに違和感がないから。

 

ウラン・ウデでは特に民族ごとに学校が分けられることなく、幼いころからロシア人、ブリヤート人エヴェンキ人などその他民族が同じ教室で育っていきます。(これはブリヤート文化やブリャート語の保存という観点から見ると意見が出るところでもありますが…)

学校帰りのブリヤート人とロシア人の子供が仲良くふざけ合いながら遊んでるのを見るのも毎日の光景です。

 

こうして幼いころから他の民族が身の回りにいるのが当たり前の状況で育てば、お互いのことが良く理解できていて、差別が生まれる余地がないのではないでしょうか。そして後から入ってくる外国人に対しても比較的寛容に対応できるのではないでしょうか。

 

最後に

最後に、今後外国人労働者や観光客が多く入ってくると考えられる日本はどうすればいいのか、少し提案めいたことを書いて終わりにしたいと思います。(実現できるかどうかは別にして)

 

相手をよく理解するには、やはり直接関わりを持つことが大切だと思います。その関わり合いのきっかけをつくるために、

  • 地域の外国人と日本人が関わるイベントを定期的に行う
  • 学校では定期的に地域に住む外国人を呼び、お話しができる場を作る。

といった活動をする必要があるのではないでしょうか。

 

いじめの問題など、先に手を打っておかなけらばならない問題も多いですが、まずは関りを持つことから始めないといけないと思います。

 

とりあえず、疲れたので今日はここまでにします。

 

それでは。