むかいひろきのロシア・ブリヤート共和国情報局

ロシアやブリヤートに関する情報、駆け出しの日本語教師として感じたことを発信します。ブリヤート共和国で日本語教師として2018年8月~2020年7月まで働いていた日本人大学院生のブログです。

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【ロシアの民族⑳】ブリヤート人

今日は、ロシア・シベリアの仏教徒の民族、ブリヤート人についてご紹介します!

 

ブリヤート人(Буряты)

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ブリヤート人は、東シベリアのブリヤート共和国の基幹民族。

ロシアでの総人口は461,389人。そのうち約62%の286,839人がブリヤート共和国に暮らしています。そのほか、イルクーツク州には77,667人、ザバイカリエ地方に73,941人と、共和国に隣接する地域にも多くのブリヤート人が暮らしています。(2010年の統計より)

 

モンゴル系の民族で、宗教はチベット仏教と伝統宗教。

 

日本人と非常に良く似た見た目をしており、日本人のルーツにつながる民族の1つではないかと最近よく言われています。

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赤がブリヤート共和国。左側の大きな湖はバイカル湖。ちなみにブリヤート共和国の面積は日本とほぼ同じくらいです。

Stasyan117 - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=39697400による

 

ブリヤート人は、バイカル湖周辺に住んでいたいくつかの民族が混血してできたと考えられています。

 

ブリヤート人の祖先の民族は、6世紀ごろからバイカル湖近隣の土地を開発し、徐々に居住領域を広げていきます。

モンゴル帝国が成立する13世紀ごろには、ブリヤートの諸部族が民族として成立していたようです。

※ブリヤート人は歴史的にいくつもの部族に分かれており、14世紀の歴史書『集史』にもそのことが記されています。

 

1207年にチンギス・ハンの遠征を受けて以降、ブリヤートの諸部族はモンゴル帝国の支配下に入ります。

モンゴル帝国崩壊後も、その後継のモンゴル系国家の支配下にブリヤートの諸部族は入りました。

そのモンゴル系国家での紛争により、部族によっては居住地の移動が行われました。

16世紀後半にはモンゴルからチベット仏教が流入。ブリヤート諸部族にも広がりました。

 

1620年代に入ると、西からロシアがブリヤート諸部族が暮らしていた領域に侵入を始めます。ロシアは土地を占領すると各地に砦や町を作り、有名な所では1661年にはイルクーツクが、1666年にはウジンスコエ・ジモヴィエ(現在のウラン・ウデ)が建設されました。

17世紀の間はブリヤート諸部族のロシアの侵略・支配に対する抵抗が続発し、ロシアによって建設された砦が攻撃を受けることが多々あったそうです。

1689年、モンゴルの宗主国である清国(中国)とロシア帝国の国境の一部がネルチンスク条約で確定。この条約以降18世紀前半まで続いた露清間の国境策定事業により、ブリヤート諸部族が暮らす土地は正式にロシア領になりました。ロシアの支配下で、ブリヤート諸部族は徐々にまとまり「ブリヤート人」となっていきます。

 

当初は入植したロシア人の乱暴狼藉が目立ちましたが、1703年にはブリヤート諸部族の内、ホリ・ブリヤート人が皇帝ピョートル1世に元の居住地で伝統的に暮らすことを保証されるなど、徐々に関係は落ち着いていきました。

エカチェリーナ2世の時代には、冷害をきっかけにブリヤート人に対して農業指導を行い、これまでの狩猟・牧畜以外に農業が導入され、ブリヤート人の人口増加につながりました。

 

19世紀の終わりから20世紀の初めにかけて、ブリヤート人が伝統的な暮らしを続けていた土地の一部がロシア政府に没収され、反発をしつつも近代的生活への移行が加速されました。

 

ブリヤート人はソ連時代も自治権を獲得。独ソ戦では多くのブリヤート人兵士が活躍し、勲章を受けました。そして現代に至ります。

 

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イヴォルギンスキー・ダツァン ロシア仏教の総本山とされています。

ブリヤート人の文化の特徴の一つがチベット仏教。自身のいたウラン・ウデ市内やその郊外にも多くのお寺がありました。

お寺の多くはソ連時代半ばやそれ以降の再建で、新しいものが多いです。現在も各地で建築・増築中です。

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何もない雪原に佇む、アツガツキー・ダツァン

www.hiroki-ru.work

 

また、太陰暦の旧正月「サガールガン」ではブリヤート民族伝統の踊りや音楽を聴くことができます。

「ヨーホル」という大勢で輪になって踊る踊りも行われます。誰でも参加できますよ。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

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そしてブリヤートで有名なお祭りと言えば、伝統スポーツ大会の「スルハルバン」。

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By Аркадий Зарубин - Own work, CC BY-SA 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=22605260

伝統的な相撲や弓道、競馬などといった競技が行われる大会です。民族衣装を着た人々による踊りも披露されます。

毎年6月末か7月頭に行われます。(自身は1年目の夏は旅行中、2年目の夏はコロナウイルるによる中止で生で見ることがまだできていません…今度こそ!)

 

 

以上、ブリヤート人の紹介でした。(自分がお世話になっていた民族ということもあり、緊張しました。)もし、誤り等あれば至急お知らせください。

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