シベリア~極東にかけて暮らす少数民族エヴェン人を紹介します!
※以前ご紹介したエヴェンキ人とは似ていますが異なります。
エヴェン人(Эвены)
エヴェン人はロシアの東シベリア~極東を中心に暮らす少数民族。
ロシアでの総人口は21,830人。そのうち約68%の14,914人がサハ共和国に暮らしています。他にはマガダン州に2,555人、カムチャッカ地方に1,848人など。(2010年の統計より)
ツングース系の民族で、宗教はキリスト教化が進んでおりロシア正教が主ですが、伝統的なシャーマニズムも残っています。
以前、ご紹介したエヴェンキ人とは親戚関係にある民族で、見た目や民族衣装もよく似ていますね。
エヴェン人の歴史
エヴェン人の歴史についてはあまりよくわかっていません。
エヴェンキ人と共通の祖先をもち、もともとはバイカル湖沿岸に暮らしていたと考えられています。ちなみに、伝統的な住居の形は、エヴェン人とエヴェンキ人はほぼ同じです。
その後徐々に東シベリアや極東方面に移住。エヴェンキ人より北東側により多く移住しました。移住の過程で一部はサハ人やユカギール人などと混血したり同化されたりもしました。
民族の形成には数百年もの時間がかかったと考えられています。
17世紀から、エヴェン人は東方に進出してきたロシア人と接触するようになり、その支配下に組み込まれます。
ロシアの支配下に入った後も伝統的な生活は続けていましたが、ロシア人の影響は強く受けていました。特に宗教面ではロシア正教が徐々に定着。19世紀中ごろにはエヴェン語でロシア正教関連の書物が出版されました。
ソ連時代の1920年代以降、エヴェン人はソ連政府の政策もあり、大多数が定住化。伝統が破壊されてしまいました。
1990年代以降、エヴェン人の言語や文化の復興のための積極的な政策が展開されるようになり、現在に至ります。
エヴェン人小話
かつて、エヴェン人は誕生すると同時に小さな家畜の群れを与えられました。成人するとその群れは自分のものとして本格的に所有したそうです。(男女関係なく)
他にも狩猟に関連した習慣がかつてはありました。例えば…
- 熊を捕まえたときは、捕獲を祝う祝宴を開催した。
- 生活共同体の誰かが病気になった時は、シカを生贄にしてその肉を食べ、毛皮を竿につるさなければならなかった。
といったものがありました。狩猟民族と遊牧民族の習慣が融合した感じですね。
以上、エヴェン人の紹介でした!
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