シベリア中央部の少数民族、ショル人の歴史や文化を紹介します!
ショル人(Шорцы)
ショル人はロシアのシベリア中央部に多くが暮らす民族。
ロシアでの総人口は12,888人。そのうち約83%の10,672人がケメロヴォ州に暮らしています。(2010年の統計より)
テュルク系の民族です。
宗教はロシア正教と伝統宗教。20世紀初頭にロシア正教に改宗させられましたが、伝統宗教が今もなお人々の間に強く残っているそうです。
モンゴロイド(黄色人種)ですが、若干コーカソイド(白人)の形質も混ざっているそうです。
ショル人の歴史
ショル人は6世紀~9世紀ごろにかけて、当地を支配したエニセイ・キルギス人や、様々なテュルク系民族やウイグル人、モンゴル人、アルタイ人などが混血して成立したと考えられています。(一部の学者は17世紀に成立したのではないかと主張しています。)
その後13世紀~15世紀ごろまではモンゴル帝国とその後継国家の支配下に入りました。
ショル人が暮らす地は、16世紀半ば以降にシベリア進出を目指すロシアによって征服され、その支配下に入りました。
17世紀~18世紀には北方から移住してきたテレウト人と混血。今日のショル人が完全に成立します。※テレウト人については、後日記事を作ります。
また、19世紀半ばには一部のショル人がハカス人が暮らしていた地域に移住し、一部はそのままハカス人に吸収されたと考えられています。
ソ連時代の1926年、ショル人の民族自決のための「ゴルノ・ショル地方」が作られます。しかし、このゴルノ・ショル地方は1938年にショル人の人口減少などを理由に廃止されていしまいました。
その後、ショル人による自治区や共和国などは作られることなく、現在に至ります。
ショル人小話
ショル人には民族独自の伝統的な祝日があります。
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Шор-Пайрам(ショル・パイラム)
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Мылтык-Пайрам(ミルティク・パイラム)
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Чыл пазы(チル・パーズィ)
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祖先を祭る祝日 Огульдека
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春から夏にかけての祝日 Пайрам
一部を紹介すると…
Мылтык-Пайрам(ミルティク・パイラム)は1月18日。この日は団子のような民族料理を食べる祝日です。その団子の中には、今年の運勢を暗示する小さなものが入っています。それを予想しながら団子を食べる祝日だそうです。
Чыл пазы(チル・パーズィ)はショル人の新年。3月20日か3月21日の春分の日に祝われます。火を囲んで歌ったり踊ったり、人によってはクマなどの生き物に変装をしたりして新年を祝うそうです!
以上、ショル人の紹介でした!
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