ロシアで100万人以上の人口を持つテュルク系キリスト教徒の民族、チュヴァシ人をご紹介します!
チュヴァシ人(Чуваши)
チュヴァシ人はロシア西部、チュヴァシ共和国の基幹民族。ロシアに暮らす民族では5番目に多い人口を誇っています。
ロシアでの総人口は1,435,872人。そのうち約57%の814,750人がチュヴァシ共和国に、116,252人がタタールスタン共和国に、100,450人がバシコルトスタン共和国に暮らし、これらの周辺地域にも多くのチュヴァシ人が暮らしています。(2010年の統計より)
テュルク系の民族ですが、大半の人がロシア正教を信仰しています。
※他のテュルク系民族はイスラム教や伝統宗教を信仰している場合が多いです。
チュヴァシ人の歴史
チュヴァシ人の民族のルーツはさまざまあり、アルタイや中国、中央アジアの民族もルーツになると考えられています。一番近い祖先は7世紀ごろ、後にイスラム教を国教とする国家をヴォルガ川流域に建国したテュルク系のヴォルガ・ブルガール人だと言われています。
ヴォルガ・ブルガール人の内、イスラム教を信仰しなかった人々が現地のフィン・ウゴル系の民族と混血し、15~16世紀ごろにチュヴァシ人の原型ができたとされています。
チュヴァシ人は13世紀にはモンゴル帝国、15世紀にはカザン・ハン国の支配下に入りますが、民族の自治や自立は保っていたようです。
その後、東方進出を目指すロシアがカザン・ハン国に侵攻。チュヴァシ人が暮らしていた地域は16世紀半ばまでにロシアの支配下に入ります。伝統宗教からロシア正教への改宗も徐々に進んでいったそうです。
16~18世紀にかけて、チュヴァシ人はロシア政府に反乱を起こします。その結果17世紀にチュヴァシ人に対して武器の製造を止めるための鍛冶禁止令が発布され、19世紀まで有効だったようです。
ロシア革命の際には、タタール人やバシキール人と連携して独立の動きを見せますが失敗。ソ連時代を経て、現在に至ります。
チュヴァシ人小話
チュヴァシ人は古来の習慣を現代まで伝えており、その一つに「サヴァルニ(саварни)」というお祭りがあります。
サヴァルニは冬が過ぎ去ることを祝うお祭りで、ロシア人の「マースレニッツァ」と同じようなお祭りです。
大きな案山子のような人形をあらかじめ準備し、それを燃やします。(これはロシア人も同じことをしますね。)
また、「サヴァルニ」では、着飾った馬に大きなそりをくっつけて、それに子供たちを乗せて走る…という習慣もあるそうです。
以上、チュヴァシ人の紹介でした!
いかがでしたか? 次回もお楽しみに!
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