駆け出し日本語教師の部屋@ロシア・ブリヤート共和国

ロシアやブリヤートに関する情報、駆け出しの日本語教師として感じたことを発信します。ブリヤート共和国で日本語教師として働く日本人大学院生のブログです。

海外(ロシア)で行う日本語「古文」の授業

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どうも!むかいです。

 

久々にしっかりした記事を書こうと思います!

今日は「古文」の授業について紹介したいと思います。

 

 

なぜ古文の授業?

まず不思議に思う方が多いと思います。「なぜ外国人の学生に古文の授業なのか?」と。僕も不思議でした。

実は大学のカリキュラムにもともと含まれているからなんです。

 

僕の教えている学科では、ただ日本語が使えるようになることを目標にしているのではなく、日本語や日本の専門家の育成を目標にしているようです。そのため言語科目以外にも日本事情であったり歴史、経済だったりといった科目があります。古文もその一環としてあります。

 

で、何をしているの?

「で、古文の授業で何をしているの?」という質問が当然出てくるだろうと思います。実際、自分も担当が分かった時には「何をすればいいんだ?」と思いました。

 

そこで、他の先生や学生に今まで何をやっていたか聞いたところ…「松尾芭蕉の俳諧をやった。」「古文は学生にあまり意味がないから近代文学をやった。」という話だったので、好きにやらせてもらうことにしました。

 

で、何をやっているかというと『竹取物語』をやっています!

詳細は次項で。

 

授業の詳細

授業の狙い

『竹取物語』…といっても中学や高校の古文のように古典文法を一からやり、少しずつ物語を読んでいるのではありません。

学生にとっては現代日本語の文法や言葉を覚えるのだけでも大変なのに、そこに古典文法なんて入れたらもう大変です。意味ないですし。

そこで、古文を通じて「日本の昔の物語や歴史、言葉に興味を持ってもらう。」ことだけを目標にしました。

 

教材

メインの教材は『マンガ古典文学 竹取物語』(小学館)。

www.shogakukan.co.jp

この教材を選んだ理由は

  • マンガで興味を持ってもらいやすい。
  • 絵がきれいで読みやすい。
  • 物語がわかりやすく、かつ時代を反映している。
  • セリフが完全な古語でも現代日本語でもない時代劇のような日本語であり適度に古語が勉強できる

といった理由です。

他に、サブ教材としてPPTで平安時代の暮らしの紹介や日本の歴史に関するクイズを行っています。

 

進め方

進め方は以下の通り。

  1. 前回までの内容の確認。(学生に問いかけながら)
  2. 今回の範囲のマンガを配付。先生の後に繰り返す形でマンガの音読。
  3. プリントを配付し、マンガの中から「意味の分からない日本語」「昔の日本語」の2つ探し記入させる。その後自分で意味を調べたり予想したりして書き込む。20分くらい時間をとる。※近くの人と話し合うのはOK,歓迎。ネットを使うのももちろんOK。
  4. 3.で書いた内容を全体で共有。「意味の分からない日本語」「昔の日本語」それぞれ書き出した言葉を言ってもらい、その後全体で一緒に意味を考える。
  5. 質問や物語の要点の確認
  6. クイズ

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授業で使用しているプリント

 

マンガの範囲については、毎回10ページ~16ページくらい。セリフの量によって変動します。

3.は個人か近くの人と。数人でワイワイやっている学生もいれば、黙々と1人で取り組む学生もいますね。

4.は言葉を書きだした後、まずは学生に意味を問いかけます。もし、全体に問いかけても意味が分からない場合は、少しずつヒントを与え、意味を考えさせます。また、「絹」「瑠璃」「珠」などのようなものを指す名詞は、スクリーンを利用しグーグルで画像を検索し表示します。

6.のクイズはスクリーンを活用し、画像・映像を利用して行います。これまでに、「日本の建物の変遷」「衣服の変遷」「髪型の変遷」「平安貴族の結婚」などをテーマにしました。

 

授業をしてみて

実際にこの方法で授業をしてみると、「学生は思った以上に分からない言葉や古語をちゃんと調べられているなぁ」ということです。

プリントに書いた「意味の分からない日本語」「昔の日本語」を黒板で共有すると、毎回かなりの数になるのですが 、そのほとんどが学生の力だけで意味が分かっていきます。僕は言葉のニュアンスが若干違う場合にヒントを与えたり、固有名詞の場合は画像を見せたりということがほとんどです。

教師が一から教えるのではなく、学生が調べたり考えたりしたものを補助していく形が、一番いいのかもしれませんね。

 

反省点・要改善点

次に、反省点や改善した方がいい点を洗い出してみました。

  • マンガを読む際、セリフが多すぎて学生が疲れてしまうことがあった。⇒ページ数や場面だけではなく、セリフの数も考慮して1回分を抽出するように変更。
  • 授業が2週間に1回しかないため、物語の半分も終わらずに授業が終わりそう。⇒『かぐや姫の物語』など、関連した映像作品を紹介し参照してもらうつもりです。
  • 試験や成績をどうつけるか。⇒現在試験を作成中ですが悩んでいます。これまでに読んだところから問題を出そうかな・・・。

 

おわりに

以上、自身が実施している3年生の古文(древний язык)の授業の紹介でした!

実際に外国人の学習者に対して古文を教えることはまずないと思いますが、もし同じような境遇の人がいらっしゃれば、参考になれば幸いです。

 

今後、またブリヤートやロシアの情報も新規入稿、リライトしていきたいと思います!

それでは!